翻訳物を公開するときは著作者に了解をもらおう、という自戒

あるいは、「著作物のライセンスを示すことの重要性」について。

今回の村上春樹氏のケース以外でも、海外のニュース記事やブログ記事などを、気軽に全文引用転載・翻訳して、自分のブログで紹介しているケースをしばしばみかけます。

そのようなケースがすべて、著作権者の許諾を取って実施されているのかどうか、はなはだ心配ですが、どうなのでしょう。
全文翻訳は適法か » 科学と生活のイーハトーヴ


自分の場合、ニュースやブログの記事の翻訳は、元記事の読後に

うぉーー!はげしく同意っ!!

と感じることから始まる。以降、

  1. 読み直しつつ、ザッと訳す
  2. 不明な表現の解明、不自然な日本語の手直しをゴリゴリとやる
  3. 著者に了解をもらう
  4. 誤字脱字をチェック

と進み、著者の方から了解が得られれば晴れて公開、となる。

「やるやる詐欺」は著者に失礼

「最初に許可もらわないの?」

  1. 翻訳開始時に著者に連絡
  2. 訳し始めるもなかなか進まず
  3. 著者から了解もらうも、いつしか意欲が消沈し始め…

結局公開できず、著者に対し申し訳ないことになった苦い経験があるので、最近は訳文の見通しがたってから了解をもらうようにしてる。

了解が得られず、ある程度時間かけた1ものがお蔵入りになるのは残念だけど、それはさっぱり割り切ることにしてる。翻訳の練習だと思えばつらくない!2

自分の文章を利用してくれる人たちのために

冒頭に引用した一文、@pollyanna_y さんのブログからの引用ですが、こういったケースの当事者の頭の中を想像するに、

  1. これは「適切な引用」の範囲ですっ!
  2. みんなやってるし、ネットに公開されてるんだからいいでしょ。
  3. 著者から返事こないから見切り発車しました。
  4. ニュース速報なんだから許諾なんて取ってたら乗り遅れるっ!

とかなのかなぁ、と。で、これを野放しにしちゃうと、原著者が一番損しちゃうんだよな…

ということで、何か文章を書いて公開する際は、ぜひその辺を意識すると良いと思った。自分の文章のライセンスを示そう運動。そうすれば誰かがその文章をなんらかの用途で使いたくなったとき、モニョモニョしなくて済む。

  1. 個人ブログであってもきちっとライセンス表記する
  2. COPYRIGHT all rights reserved 型 (これとかこれとかこれとか)
  3. クリエイティブ・コモンズ・ライセンス型 (yomoyomoさん作成のリスト)
  4. 引用・転載・翻訳のガイドラインを載せておく (これとか)

とりあえず1. のいずれかで始めてみて、不都合があれば2.の方式にすればよさそう。このブログは当面 COPYRIGHT 表記にしておきます。

併せて読みたい

WEBマガジン出版翻訳 岩坂彰の部屋-著作権と印税


  1. だいたい、1000単語の英日訳で10時間くらいかかる気がする

  2. ごめんなさい。実際はつらいです。