「くる病」が国内で「ありふれた病気」レベルまで広がっていて、特に乳幼児を蝕んでるそうです

バイリンガルニュース (Bilingual News) : 61. バイリンガルニュース 01.30.14で紹介されてた「くる病で赤ちゃんを死亡させたイギリスの夫婦に有罪の見通し」というニュース。海外のとんでもニュースかと思いきや、どうやらそうでもないようで。

A five-month-old baby has died from rickets after his parents insisted on following a strict eating regime as part of their religion.
(中略)
It is believed Ndingeko’s parents belong to the Seventh-day Adventist Church, whose members follow a lacto-ovo vegetarian diet – one that allows milk and eggs, but not animal flesh.
(中略)
In 2012 the parents of four-month-old Jayden Wray were initially charged with his death before doctors realised he had probably died from rickets.
Before Jayden there had been only one death in 30 years. Yet in 2012 about 900 cases were diagnosed in hospitals in England.
Nutritionists say the return of rickets is largely due to a generation of inactive children not getting enough sunlight.

Baby dies of rickets from vegetarian mother - Telegraph

ざっくり翻訳すると、

  1. 生後5か月の乳児が、2012年6月にくる病で死亡した。原因は宗教上の理由で両親が従っていた、ラクト・オボ・ベジタリアンと呼ばれる厳しい食事制限と考えられている1
  2. イギリスでは過去30年、くる病で死亡するケースは1件しかなかったのだが、2012年だけでも900件もの「くる病」診断結果が出ている。主な原因は日光浴不足

日光浴不足で「くる病」?と思ったのですが、人間の皮膚には日光を浴びると体内にビタミンDを生成する機能があるそうです。くる病予防にビタミンDが不可欠なので、適度な日光浴は予防に不可欠、と。

海外だけの話じゃないの?

NHKで国内事例がニュースになっていました。

千葉県こども病院 皆川真規医師
「(以前、くる病は)学会報告などでも、非常に珍しい病態と考えられていた。 ところが20年ほど前から、ぽつぽつ見られるようになり、最近は、ごくありふれた病気といっても過言ではないほど、患者さんは増えてきていると思う。」

「最近はごくありふれた病気」 マジデスカ。

詳しくはNHKのニュース記事を要参照なのですが、要約すると、

  1. 完全母乳育児だとビタミンDが不足する
  2. 乳幼児期アレルギーで卵等のビタミンD豊富な食材が食べられない
  3. 日光浴不足でビタミンDが不足する

あたりが原因になっているようです2。うちの子が生まれた5年前はこんな話なかったような気がするのは気のせい?

ともかく、妊娠中な方、乳幼児の子育て中な方、気をつけましょう。


  1. 妊娠中もベジタリアンにこだわった母親の栄養失調が…みたいなのは考えすぎなのかな。 

  2. ここ数年で出産、育児を経験した方なら「あー、なるほど」と納得出来そうなのですが、そうでない方は( ゚д゚)ポカーンな感じになりそうなので補足しておくと、

    1. 『母乳育児で愛情あふれる子育てを!』
    2. 「ねぇねぇ、アレルギーテスト受けた?うちの子受けさせたら小麦と卵で陽性でさ...」「え、そうなの!?(どうしよう、うちの子も...)」
    3. 『温暖化の影響で強くなる一方の紫外線。皮膚が弱い乳幼児は対策が不可欠!!』

    と、1と3は雑誌、2は保護者の会話ですが、不安に駆られた両親が思い切った行動に出た結果、バランスが崩れた結果が「くる病」として現れた...といった流れもありそうです。